なぜ人を殺してはいけないのか?の答え

http://q.hatena.ne.jp/1199419978
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いろんな意見が出ているが、論理的にはどう考えるのが妥当なのか。
はてブにて「理論的な解は存在しないので、回答不能」という意見があるが、
論理的でかつ理論的な無矛盾な解が存在する。


回答の5番にて「人を殺す」の状況設定がないことを取り上げているが、
「一般的に人を殺してはいけないとされる理由は何か?」といった程度に
設問を理解すればよいだけであり、ここのシチュエーションを考えなくともよい。


回答を得るためには「殺人を禁止している主体」がなんなのかを考えるとよい。
いったい、何が殺人を禁止しているのか。
それを理解することで「なぜ?」を理解することができる。


非常に答えは単純なのだが、殺人を禁止してるのは「社会」である。
人類は、野生での単体での生存が厳しいがゆえに、群れをなす動物である。
その群れの存在意義は「生きること」に他ならない。
生きるために作られた群れは当然ながら、群れのメンバーの生存を
目的としているからそのためのルールを作る。
そこから、殺人の禁止がでてくる。


さて、基本原則は上記のとおりなのだが、例外的に殺人がなされる状況がある。
それはどのように説明されうるのか。


ひとつには、処刑である。
なぜ、処刑という名の殺人がなされるのか。
それは、もともとの「群れの生存」を目的と考えればなんらの矛盾がない。
「群れの生存を脅かすメンバーは排除される」という規定を設けることは、
群れの生存という目的に合致する。
逆に、ここで排除することをしなかった場合、内部犯による群れの壊滅の可能性がある。


ひとつには、戦争である。
戦争というのは、他の群れとの利権争いに他ならない。
相互に共存できることが望ましいが、それができない場合に自己の群れの
生存をかけて戦争をすることが起きうる。
これもまた「群れの生存」という目的によって自然に説明できる。


さて、人対人の場合の殺人においては「自分の群れ」と「他人の群れ」という
括りを想定することで上記のように説明できるのだが、
そもそも人間以外が人間を殺す場合はどうか。


回答の3番にトラが人間を殺すというシチュエーションが考慮されているが、
トラの社会に殺人を禁ずる理由はない。人間はある意味格好の餌となりうる。
ただし、人間としてはトラに好きなように捕食されるわけにはいかないから、
そのための対策を講じる。
人の味を覚えたトラを捕殺するのも「自分の群れ」を守るための行為である。


さて、逆はどうだろうか。人はなぜ他の動物を殺してもよいことになっているのだろう?
「自分の群れを守る」という目的からすれば、他の動物を捕食することは
なんら禁じる理由がない。
むしろ、禁止することで食料を減らすことになりうる。
衛生上の理由から特定の動物の捕食を禁じている文化はあるが、
これもまた自分の群れを守るための戒律なのである。