NitendoDSがWEPを採用した罪の重さ

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080126/292105/
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080126/292105/
にて、「WEPを採用したNintendoDSの罪は重い」と書いた。


tur2k3氏により

NintendoDSの罪は重い」とかいうけど、DSでどれほど重要なデータを扱っているのか?また家庭無線LANのクラックで実際にあった被害は?アナログ電話回線の盗聴と同程度の危険度と思うが。

というコメントがあったので、補足しておこうと思う。


無線LANにDSだけが繋がっている環境を考えるとすれば、
ゲームに用いられる程度のデータしか流れていないことになる。
有料サービスなどがなければ、フリーライドしてLANを使われる程度の危険性だろう。


そのような環境での無線LANのクラックは、ただちに被害が甚大とはならないかもしれない。
しかし、悪事を行う際の踏み台として、絶好のアクセスポイントとなることは間違いない。
その程度のリスクは考慮しなくてはならない。


さて、より問題となるのは、PCなどもある無線LAN環境である。
DSで繋ぐためにWEPに無線LANの設定を落とさざるを得ない。
こうして、DSに引きずられて脆弱になったLANに対して接続されるとどうなるか。


PCで共有フォルダなどがあれば、当然、そのファイルは参照され漏えいするだろう。
たんなる一般家庭ならまだしも、個人で事業をしている場合だとより危険が増すと思われる。
特に、LAN内にファイルサーバなどがあれば、常時アクセス可能となる。
安易に考えれば、トロイを仕込んだファイルを置くようなアタックが考えられる。


DSに引きずられて脆弱になった無線LANがそこらじゅうの家庭にあふれている。
そして、携帯ゲーム機の製品寿命が長いことを考えると、
今後10年程度はWEPが生き続けてしまうことになる。
技術の更新を妨げる大きな要因となるわけだ。
そこも含めて、任天堂は過ちの大きさを認識すべきだし、今後の対応を考えてもらいたい。