特別なら特別扱いすればいいよ

さて、本題はここからだ。

当時、私が非常に恐れていたことがある。幸い、現実化することはなかったが。それは、他のメンバーが「Aさんだけ特別扱いでずるい」と不満を露わにすることだった。

(中略)

要は全員がそれなりに力を発揮して貰わなければ、ゴールへ到達することができない状況だったわけである。

もし、Aさんのやり方と他のメンバーの不満が衝突していたら、どうすれば良かったのだろうか。未だに結論が見出せない。

技術力の高いエンジニアをどこまで特別扱いすればいいのだろう - これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

役割分担というのはある。そして、それぞれの貢献と言うのも当然ある。しかし、誰にでもできるような、代えのきく仕事もあれば、とある誰かにしかできない仕事もある。

特別なことをやれる人が特別扱いされるのは別に不自然でも何でもない。とはいえ、その能力と待遇とのバランスというのはあるから、あまりに非常識に祭り上げるのは論外だが。

確か社会心理学の本だかで読んだ記憶があるのだが、確実な差があることを認識している場合において、報酬に違いがあることには人はほとんど不満を持たない。自分と同程度のことしかできないのに稼いでいる人間に腹が立つのだ。

この現代で、人に恨まれることなく金を稼ぎたければ、その能力を認められる必要がある。これは現代のノブレスオブリージュなのかもしれない。

代えの効かない仕事ができるところまで自分を磨くと、それは大きな力となる。でも、本当の能力を得ようとすると、目眩がするほど地味に努力を積まなくてはならなくて、一発逆転を夢見てしまう。人間そんなもん。