金銭外の報酬

本当は金銭でももっと報酬をもらいたいというのはあるのだけど、報酬は払う側の支払い能力で決まるという話題の通り、無い袖は振れないと言われてしまう。

自分のように地方で安穏と隠居している身だと、選べる仕事というのは限りがあって、じゃぁ他をあたりますっていう交渉カードを切ることが難しかったりもする。

だもんだから、実は普通のエンジニアと変わらない単価で仕事していたりするのだけど(未来サミットの3次会で「ないわー」と言われた)その分の報酬を何で受け取っているかと言うと、技術的な経験値で受け取っている。

SIerはその契約形態に大きな不満はあるものの、私は別に存在まで否定はしないのだが、やはり個人ではとても受けられない規模の仕事にありつける。この稀有な経験のために安い単価で仕事を請けていると言っても過言ではない。

大企業グループ内でのシステム基盤の設計なんて仕事はそうそうやれるものではない。大規模ならではのスケールアウトの話題なども出てくるのだが、こういうところを実地で作るなんてのは大企業に就職したとしてもなかなかできる経験ではない。この金銭外の報酬の大きさがなければやってられない。

逆に、アーキテクトを育てたければ、こういう稀有な経験をさせなくてはならない。そのためにかかるトータルのコストは凄まじい額になる。そんなのを自分のような社外の人間にやらせている時点でSIerの教育プランはなっちゃいないなと思うところなんだが。

カネってのは数字と言うわかりやすいもので出てくるから、その多寡に目を奪われがち。逆に数字にならないものは軽視されがち。軽視されている部分のものは格安で手にできる。そこを契約に盛り込むと、相手からは安く済んだと思われるし、自分はすごく価値のあるものを格安で手に出来てWin-Win関係(ちょっと違う気もするがw)となって非常においしい。