http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20091125/p1という意見の是非はおいておくとしても、なかなか面白いネタだとは思う。
既得権を持つ側なら、その権利を永続的に保持したいと思うのは、素朴で原始的な感情だと思う。
しかしながら、僕は文豪の子孫として生まれてはいないし、自らが綴った文章も資産価値として計上できるような著作物ではないだろうから、こうした既得権を持たない立場にある。こうした多数派である権利を持たない人らが、集団強盗のように権利者を襲うようなことはあってはならないと思うが、しかしまた、権利を持たない人らが新たに権利を築こうとするところを賽の河原よろしく鬼が崩しにやってくるような世界は、文字通り地獄のような世界であろう。
富は偏在するし、カネがカネを生むともいう。財物は財物を集め、利権は利権を集める。一部に局所的にモノが集まり、多くは空虚な空間であるその様は、まるで宇宙に局所的に存在する星のようにすら見える。質量は質量を集め、ついにはブラックホールとなって、宇宙の全質量は1点に集中してしまうのだろうか。富や利権はビッグクランチを起こすのだろうか。*1
ブラックホールがホーキング放射で蒸発するように、局所化した富を引き剥がすように相続税が財物を蒸発させる。金銭に換算できる財物は蒸発するのだ。株式のような富を生み出すシロモノもまた金額換算されて蒸発してゆく。著作物も同様に蒸発していく権利でなくてはならない。そうでなければビッククランチを待つかだ。
もっとも、ブラックホールが蒸発して消滅するような時代だとしたら、星々はもはや生まれないような時代なのだけどね :-P *2
*1:別にビッククランチ理論を支持しているわけではないけども