富山の勉強会に参加する際の心構え

IT勉強会はなにも東京ばかりで開催されているわけではない。
地方の勉強会に参加するのであれば、ついでに観光地を巡ったり、その土地の美味しいモノを食べたいというのが人情である。

本エントリでは富山の勉強会に来た際に食べるべきものを紹介する。

氷見の寒ブリ

富山湾の王者とも呼ばれる。旬は冬。産卵期前で脂が乗ったブリは「寒ブリ」と呼ばれる。氷見(ひみ)漁港は富山湾の西に位置し、11月半ばから2月の頭ごろまでの間、定置網でとれ氷見に水揚げされた天然ブリは「ひみ寒ぶり」としてブランド価値が高い。同じ寒ブリでも石川県は能登半島に位置する七尾市の漁港に水揚げされたものは「ひみ寒ぶり」ブランドにはならない。そちらを狙う方が賢いかもしれない :-P

言わずと知れた出世魚で、サイズによって呼び方が違うが、地方によっても呼び方が変わるのでややこしい。スーパーマーケットなどでよく見かけるのは「フクラギ」で、東京でいう「イナダ」といったところだろうか。

ブリは刺し身で食べると、醤油に油が浮くほど。その油を軽くしゃぶしゃぶにして敢えて落とし温めて食べるのがブリしゃぶ。また、焼き物にしても美味しく食べられる。煮物はなんといってもぶり大根。

富山県内の西の方や石川県の金沢あたりでは、結婚後の1年目、嫁さんの実家がブリを1匹、旦那側の実家にお歳暮に送るという風習がある。受け取った側はこれを捌き(魚屋さんとかに頼むのが一般的)その半身を嫁さんの実家側に返すのである。これを「半身返し」という。

白エビ

富山湾の宝石とも呼ばれる。季節は4月から11月。一般には「しろえび」と呼ばれているが標準和名は「シラエビ」が正しい。5cmほどの小さなエビで、むき身を刺し身で食べるのが旨い。もっとも、むき身は手間がかかるため高価だ。白エビの昆布締めも絶品。商業漁獲が行われるのは富山湾のみ。ゆえにフレッシュな刺し身を食べれるのも富山のみである。

殻付きのまま天ぷらや素揚げにしても美味しい。こちらはリーズナブル。

白エビせんべいなど、企画商品はたくさんあるのだが、正直、白エビの味がするかというと繊細すぎてわからない。白えびソフトクリームとかは素揚げの白エビがトッピングとして刺さっているが正直どうなの。

ホタルイカ

季節は4月〜6月。5cmほどの小さなイカだが、発光器を持っていて名前の通り光る。新月の温かい夜に産卵のため岸によってくる。岸辺にはホタルイカを狙って網をもった人々が集うのである。

ホタルイカはゆでたものを酢味噌和えにして食べるのがもっとも一般的。季節になるとスーパーマーケットでもボイル済みのものが並ぶ。しかし、なんといっても旨いのは茹でたて。一度これを食べるとやみつきになることだろう。

刺し身で食べる場合は内蔵をとること。内蔵に寄生虫がいることがあるためである。ホタルイカが死ぬと寄生虫が内蔵から身に移ることがあるという。安全に食すには冷凍処理する必要がある。昔、東京の友人が「1週間ぐらいホタルイカを狙って浜辺にテント張って、捕まえて踊り食いしたい」みたいなことを言っていたが止めた次第。やるならお湯を沸かして釜揚げで食べるぐらいにしておこう。

まるごと茹でたホタルイカを食べると目玉が残る。ワイルドな食べ方としては丸茹でにして頬張り、ぷっぷっと目玉を吹き出す。上品に食べたければ、下拵えとして目玉をとっておく必要がある。ちまちまと面倒臭いがそこにおもてなしの心が篭っているのである。

なお、土産物屋では素干しのホタルイカも売っている。素干しは美味で酒の肴に調度良い。お土産には最適である。

これら3種は富山県のさかなにも選定され、富山の食卓を彩る代表選手である。

バイ貝

しかし、富山の魚介類にはまだまだ美味しいものがたくさんある。バイ貝もそのひとつ。バイ貝というと4-5cmで煮付けにされるイメージが強いかもしれない。しかし、富山で言うところのバイ貝とはエッチュウバイやカガバイのことで、大きさはこぶし大。これを刺し身で食べる。ほのかな甘味とコリコリした食感がたまらない。寿司で食べても旨い。

旬は7月から10月とも言われるが、通年漁獲されており、いつでも美味しく食べることができる。

スーパーマーケットなどで丸ごと売られているものもあるが、自分で捌くには練習がいる。唾液腺が軽毒(食べるとピリピリする)なので取り除く必要がある。一般的には殻を金槌や包丁の背で叩き割るのだが、お造りにするときに殻を飾りで添える場合は殻に穴を開け、金串などで貝が殻に捕まっている部分をはずす。すると、バイ貝を引き抜くことができる。

紅ずわい

ベニズワイガニ。9月から6月。富山でよく食べられるカニは主に紅ずわい。ズワイガニは越前ガニとも呼ばれ福井が産地だ。富山でも流通してはいるが少ない。

紅ずわいは鮮度に左右されやすい。安く美味しく食べれるのは地元の特権なのである。カニを食べる時は一人一杯が基本。

ノドグロ

標準和名ではアカムツだが、北陸ではもっぱらノドグロの名で呼び親しまれている。高級魚として知られる。刺し身、寿司でも旨いが、焼いても旨い。

富山県内では、100円寿司の類の格安店でもなければ回転寿司でも普通に回っている。

甘エビ

寿司ネタでエビというと蒸しエビをイメージする人が多いかもしれないが、富山で寿司のエビといえばもっぱら生の甘エビのことである。9月から2月。

一般的に刺し身や寿司で食べる。

ぼたん海老

標準和名トヤマエビのことを指す。高級品で、回転寿司では大トロと並んで金皿に載せられているのが普通である。甘エビなどと比べると大きく、プリッとした身が非常に美味。

カワハギ

富山でカワハギといえば主にウマズラハギのことである。魚津漁港(こちらは富山湾の東側に位置する)で水揚げされた大型サイズのウマズラハギは、魚津寒ハギとしてブランド化されており、その味はフグに匹敵するとも言わる。

カワハギは身は淡白な白身。キモが大きく旨い。キモをすりつぶし醤油と和えた肝醤油で身を食べる、というのが最高に旨い。富山県内で寿司屋に行くとだいたいカワハギには肝が乗った状態で出てくる。

スーパーマーケットなどでは皮を剥いだ状態のむき身のものが多いが、その状態のものは肝がついてこない。丸ごとのものを買うことをオススメしたい。鮮魚コーナーでは調理を頼むことができることが多い。「肝を付けてください」と明言しておかないと腐りやすい内臓は捨てられてしまいがちなので気をつけよう。


こうした魚介類を狙う場合、旬の時期、漁期は抑えておきたい。旬カレンダーなどを参考にするとよいだろう。

いかの黒作り

加工品に目を向けてみると、富山独特のイカの塩辛、黒作り。端的に言えばイカスミ入りの塩辛なのだが、コクがあって旨い。熱々の炊きたてご飯にのせるとたまらない一品。メーカーはいろいろあるが、個人的には海老米(えびよね)水産のものを推したい。

昆布〆

富山では非常にメジャーな昆布〆。「こぶじめ」、「こんぶじめ」などと呼ばれる。主に魚介類を昆布に挟んで寝かせたもの。主流はサス(カジキマグロ)だが、白エビやその他の魚介類全般で作られる。なかには山菜の昆布締めといったものもある。

昆布に防腐作用があるため、刺し身を長持ちさせることができる。昆布締めにすることで味わいが深くなる効果もあるので、家庭でも挑戦してみて欲しい。使う昆布は出汁用の安価なものでよい。贈答品の羅臼昆布とかを使うと魚より昆布の方が高価な昆布締めが出来上がる…。

ますの寿し

言わずと知れた富山の名産品。マスの押し鮨。メーカーによって味が異なるので、好みのメーカーを探そう。近年のものは味を重視しているため酢を軽めにしてある。本来は保存食だが、酢が弱いだけにあまり日持ちしない。おみやげに買って帰った場合はすぐに食べなくてはいけない。

かまぼこ

富山県のかまぼこは板に乗っていない。赤巻きと昆布巻きが主流。まためでたい席の引き出物に鯛の飾りかまぼこは定番である。駅や空港といった土産物屋では手頃なサイズの細工かまぼこを扱っている。細工が楽しいだけでなく非常に美味。おみやげにも調度良いだろう。

地酒

魚介類にはやはり日本酒がよく合う。県内の酒はいろいろあるが、好みもあるだろうから個人的なオススメ銘柄を挙げるに留める。

  • 勝駒
  • 幻の瀧
  • 三笑楽
  • 北洋
  • 満寿泉
  • よしのとも

勉強会やります

さて、美味しい話を聞いて富山に来たくなった人も居ることだろう。偶然たまたま富山で勉強会が開催される話があるのだ。なんてよいタイミングだろうか…!

3/18にJava8がリリースされる。Java7とJava8の文法の壁は厚い。この厚い壁を乗り越えるために4/26(土)にJava8勉強会を開催することになりました。講師に櫻庭さんをお迎えします。

4月といえば?そう、ホタルイカのシーズン真っ盛りですね!懇親会ではホタルイカを用意しております。

参加申し込みはATNDから。 Java8 勉強会 in 富山 : ATND