今回のテーマはジェネリクスとリフレクション。Javaのジェネリクスはイレイジャ方式なのでリフレクションでは何も得られないと思ってはいまいか。
public void hoge(List<String> list) {}
といったメソッドがあったとして、リフレクションでこのメソッドの情報を得るとしよう。
import java.lang.reflect.*; import java.util.List; public class ReflectionTest { public static void main(String[] args) throws Exception { Method m = ReflectionTest.class.getMethod("hoge", List.class); Type[] types = m.getGenericParameterTypes(); for (Type type : types) { System.out.println(type); } } public void hoge(List<String> list){} }
実行結果は
java.util.List<java.lang.String>
はい、この通り。
メソッドの引数がList<String>であることが取得できた。
Typeインターフェース
Java のジェネリクスは Java 5 で導入された機能だった。このとき、リフレクション周りも大分手が入っている。
リフレクションの要となるjava.lang.Classクラスだが、java 5からはTypeインターフェースを実装する形になっている。
クラスの継承関係としては以下の通り。
java.lang.reflect.Type を頂点とし、配下には
- java.lang.Class
- java.lang.reflect.GenericArrayType
- java.lang.reflect.ParameterizedType
- java.lang.reflect.TypeVariable
- java.lang.reflect.WildcardType
と並ぶ。
Java 1.4のjavadocをみるとこれらが存在しないことがわかる。
http://docs.oracle.com/javase/1.4.2/docs/api/java/lang/reflect/package-summary.html
また1.4の時代にはjava.lang.ClassもTypeをimplementsしていない。
http://docs.oracle.com/javase/1.4.2/docs/api/java/lang/Class.html
Java 5でジェネリクスを導入するにあたって新たにTypeインターフェースが加えられ、リフレクションAPIの各種クラスにはこのType型で型を得るメソッドが追加された。
なお java.lang.Type 自体はマーカーインターフェースというやつで、とくメソッドは宣言されていない。
http://docs.oracle.com/javase/7/docs/api/java/lang/reflect/Type.html
Type型を得る
先にも述べたが、Java 5 からはリフレクションAPIにTypeを返す各種メソッドが追加されている。
これらを用いてType型を得ることができるので、さらにinstanceofで分岐することで通常の型(Class)やパラメタ化された型(ParameterizedType)ごとに処理を行うことができる。
Typeインターフェースの使用箇所は以下を参照されたい。
http://docs.oracle.com/javase/7/docs/api/java/lang/reflect/class-use/Type.html
抜粋すると
- Class
- getGenericSuperclass() スーパークラスの型
- getGenericInterfaces() 実装しているinterfaceの型
- Method
- getGenericParameterTypes() 引数
- getGenericReturnType() 戻り値
- getGenericExceptionTypes() 例外
- Constractor
- getGenericParameterTypes() 引数
- getGenericExceptionTypes() 例外
- Field
- getGenericType() フィールドの宣言型
これらのメソッドからわかるように、Javaのジェネリクスのイレイジャというのは実行時のインスタンスには型の情報を残さないが、型にはジェネリクスの型情報を残している。
なので、ジェネリックに宣言されたフィールドやメソッドは、リフレクションを用いてもそれを取得することが可能なのである。
リフレクションを用いたフレームワークを記述するのであれば、これらの情報も活用したい。
応用編に続く。