認めようじゃないか、報道は犯罪を誘発するって

少年は調べに対し「金銭トラブルで両親にしかられた。母親が西鉄バスジャック事件のことを話していたのを思い出し、嫌がらせしようと思った」と供述しているという。犯行のヒントにしたという西鉄バスジャック事件は、少年が小学校入学前年の00年に発生。佐賀県佐賀市の当時17歳の少年が高速バスを乗っ取り、乗客5人が死傷した事件で、その少年は「(親に)見放された」などと供述していた。少年もJR東海バスの中で「親から見捨てられた」と話していた。

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20080719-385510.html

猟奇殺人の報道とか全部禁止したほうがいいと思うけど…


XX の影響を受けて、XXしたってのは、実際に起こりうると思う。それだけの影響力をコンテンツが持っているか。その可能性は否定できない。もちろん、猫がネズミを狩っている所を見て人を襲いたくなったり、歴史小説を読んで比叡山に火を付けたくなるのと同じくらい。思考実験として「報道された事件を真似てみたらどうなるかな?血ドクドク出るかな?」みたいなことを思った人なんて沢山いるだろう。


実際に手を下すだけの動機になりうるか、ということについてはどうか。CMみて思わず欲しくなっちゃうくらい人間の精神は惰弱なので、衝動がタブーに打ち勝っちゃえば実行に移すことはあってもおかしくない。


なんてことを突き詰めていくと、惰弱な精神に耐えられないような報道は間引くか、惰弱な精神を間引くか、どちらかに行き着くかもしれないよ。このような事件が何の背景もなく頻発するようであれば。


実際には、何がしかの背景があるだろう。場合によっては、それが、新聞・テレビのせいであることを含めて。


あるいは、刺激を受けなければ、犯罪を犯すこともないかもしれない。それが人間らしい生なのかどうか。

元ネタは認めようじゃないか、文化は人を殺すって - novtan別館なんだけど、漫画に影響受けて犯罪を犯したってのと同様に、過去の犯罪報道に影響を受けて犯罪を犯したという事件がこのようにあるわけで、漫画のようなコンテンツを叩くと言うことは、ニュースなどの報道も、小説も、ドラマも、映画も、2ちゃんねるも、blogもみんな巻き添えにした表現の自爆テロにしかならない。

「漫画の影響が懸念される。取り締まるべし」といえば、まったく同じ論法で「報道の影響が懸念される。取り締まるべし」となりうる。

だから、特定のメディアを庇護するポジショントークをする人は、そこに線を引いて、良いコンテンツと悪いコンテンツに分けることで、自分たちはいいメディア、奴らは悪いメディアと分ける戦略をとりたがるかもしれない。