技術を持たない人で金を稼ぐシステム

「こんな銀行は嫌だ」
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20071117.html#p01

で語られているが、銀行にサービスを卸しているような会社にも
ろくでもないところがあって、セキュリティが甘かったりする。

なんでこんなことが起こるのかといえば、
「IT業界の給与形態はどうあるべきか」のシリーズ
http://blogs.wankuma.com/nagise/archive/2007/09/22/97584.aspx
http://blogs.wankuma.com/nagise/archive/2007/09/25/97794.aspx
http://blogs.wankuma.com/nagise/archive/2007/09/26/98123.aspx
で語っている「労働の牛歩戦術」が利益を最大化する契約形態をとっているからだ。
頭数いくらの仕事では技術力は金にならない。ゆえに業界に人手はあれど人材が少ない。
そんな人間でシステムを開発するのだから、質が落ちるのは当然。


では、なんで「労働の牛歩戦術」が利益を最大化する契約形態なんてとっているのか?
この因習は「技術を持たない人でどうやって金を稼ぐか?」という命題に
挑んだSIerの頭のいい非技術者が築き上げた金を稼ぐシステムなのである。


正直な話、スペシャリストを育てるのは莫大な教育費用がかかる。
しかも、採用した人間を100%スペシャリストとして出荷することは出来ず、
かなり歩留まりが悪くなることは想像に難くないだろう。

しかし、じゃぁスペシャリストじゃない人間はクビにすればいいのかというと
そうも行かないのが世の中である。
となれば、企業体を維持しなければならない立場の人が
「技術を持たない人がどうやって金を稼ぐか?」
という命題に挑むことになるのは仕方がないとも言える。


しかし、その技術が無いけど金を稼ぐシステムのほころびがきょうび目立つようになった。
なんせ、技術が無いので出荷するモノの質が悪いのは仕方がないのである。
ここでシステムを変える必要がある。

私が思うに、「一部のスペシャリストと多数の凡庸なプログラマで金を稼ぐ」という
システムにする必要がある
と考えている。
別に目新しいことではない。バベッジ的分業という古典的な手法なのだけども。
http://blogs.wankuma.com/nagise/archive/2007/08/03/88626.aspx

「技術を持たない人だけ」で金を稼ごうとしてはいけない。
そんなものはほとんど詐欺なのだから、早晩立ち行かなくなることだろう。
むしろ、自分のような後発の人間が立ち行かなくしてやろうと
虎視眈々とシステムの転覆を狙っていることを忘れてはならない。
SIerの人は新興勢力が掲げるWin-Winという錦の御旗にどう対抗するか考えなくてはならない。