ブリ会の振り返り

富山で寒ブリを買い付けて東京に運び、料理ハンズオンというか、要するにホームパーティーをやろうという企画の振り返り。あくまでもエンジニアの個人的なホームパーティーなのでその点はひとつご理解を。

kamekoopa氏の振り返りも参考に。本稿のブリの写真は @usaturn の撮影したものを使わせてもらっています。


季節的制約

食材について、魚は冬が旬のものが多い。日本海寒ブリもそのひとつである。寒ブリの季節は12月〜2月あたり。開催時期は冬に限られる。

冬であるもうひとつの必然性は気温。魚の輸送に際して暖かい時期は保冷が難しくなる。冬場の輸送であれば保冷がしやすいという利点がある。

距離的制約

今回は一般的な食品流通で食材を調達した。具体的には大阪屋ショップ。観光客向けの新湊きっときと市場ひみ番屋街などを使う手もあるが、総じて観光客向けの売り場は価格が高い。型の良い一級品が揃うためで、普通に食べる分には一般的なスーパーマーケットの流通分でも十分。普通にブリの一匹買いができる大阪屋の大きめの店舗を利用した。比較的小さめの店舗でも事前に注文しておけば一匹仕入れて用意してくれるだろう。

スーパーマーケットで調達する場合、開店待ちで乗り込むとしても開店が9:30とかそのぐらいなので、買い物を30分で済ませて即時出発したとしても最速で10:00発ぐらいになる。

実際には一旦自宅にもどり、嵩張るため食品トレイなどを乗り除きクーラーボックスに移し替える作業などを行った。10:30を目標にしていたが色々手間取り11:00の出発となった。

富山から東京までの道のりは高速道路で400kmぐらいである。高速道路が100km/hなので4時間で移動できるというのは算数のたかしくんの世界の話で、実際には休憩時間などもあるので5時間はかかる。またICまでの道のりや、ICからの道のりもあるので更に+1時間はみて6時間ぐらい。11:00出発だとうまくいって17:00着といったところなのだ。

今回は八王子のあたりから渋滞に巻き込まれた。そのため到着が18:30ごろになってしまった。そのため、調理〜食事までが慌ただしくなってしまってゆっくり談話できなかった。もっと到着が遅れていたら会自体が成立しなかったことだろう。なんとかなってホッとしている。

会場は17:30-21:45までを抑えてもらっていたが、魚の到着が1時間おくれて賞味3時間となった。3時間だと食事をゆっくりしている時間がなく、慌ただしく片付けに突入、会場を引き渡して路上で料金精算をしていた有様である。この手のホームパーティーを企画する場合、賞味4時間は時間をとれるようにした方がいい。欲を言えばもっと長く時間をとったほうが良いだろう。

天候という不確定要素

今回は天候に恵まれたのだが、場合によっては積雪もありうる。積雪の高速道路は60km/h程度の速度制限がかかる。積雪時の北陸自動車道はこんな感じ。

富山県は積雪が多いことで有名だ。世界的な豪雪地帯であって一晩で30cm程度積もることは珍しくない。

長距離の輸送時間はリスクが高い。仕入れから出発までのロスが少なくなるように工夫する必要がある。また、魚屋さんとネゴって仕入れをしてもらい早朝に受け取るなどの工夫が必要になるだろう。

物理的な距離の都合上、車での輸送を前提とすると富山-東京間というのはおそらくギリギリ成立する限界点に近い。開催地を東京として考えるならば、輸送の物理距離からして新潟あたりから輸送するほうが余裕が有るだろう。

駐車場と宿泊施設

都内の宿泊施設、近年埋まりが早いというのは今回痛感。早めに予約しないと宿が確保できない。会場に近くて駐車場もついていれば最高なのだけど、なかなかそこまでの好立地はない。

駐車場は一晩車を預けれる露天のコインパーキングが適している。上限金額が設定されているものが最適。機械式駐車場だと荷物の出し入れに苦労するので向いていない。

駐車場は遠隔地からネットで情報を漁るのが難しく、また事前にあたりをつけていた駐車場はそこまで路地が細くて進入をためらわれたので回避したということもあり、現地スタッフに下調べしてもらえると助かると思った。

特別な事情がない限り、都心部に車で行くものではない。

調理

参加してくれた皆さん、全般的に調理スキルが高くて助かりました。
仕入れ食材が当日にならないと確定しないというのもあったのですが、候補の魚の処置の仕方について事前に共有できていればよりスムーズだったかと思います。柵取りまでしてしまえば作業を振れるので最初の解体を手早くやることが重要ですね。

なお、今回のブリは9.2kgでした。内蔵や骨などで2kg以上はあったと思いますが、それでも参加人数で割ると一人あたり350gぐらいという計算に。満腹、満腹。

時間がなくて慌ただしかったのもありますが、欲を言えば刺し身やブリしゃぶなどが一周りして落ち着いたところで焼き物が出てくるぐらいの順序にしたかったですね。やはりブリカマ塩焼きは熱いうちが美味しいので。

寿司を握るのは非常に面倒くさいことを実感しました。あれは専任であたらないと無理ですね。人件費が高くつくのも頷けます。

鰹節を削ったり、イシダイを松皮造りにしたり、ヒラメを5枚卸ししたりなど普段やらないことをやったので楽しかったのではないでしょうか。僕もあの大きさのブリを卸したのは初めてだったので、なかなか楽しかったですね。

地方在住だと東京の友人とホームパーティーをすることはなかなか難しいのですが、今回はなんとか実施できてよかったです。慌ただしかったですが、とても楽しかったです。皆さん、良いお年を!