仮想世界を作るなら現実世界を探検しよう

「パクリは面白さに必要な要素」/全世界が感動する超メジャー作品『現実』 - ピアノ・ファイア
琴線に触れた。


昔から繰り返して言っていることだけども、
フィクションを元に書かれたフィクションは、ただの劣化でしかない。
いわゆる中二病的な展開の物語が出来上がるだけだ。


リエーターになりたいのなら、誰かが現実体験を元に咀嚼して作ったものだけを
吸収していてはいけない。
そんな離乳食のようなものを何時まで食べ続ける気だ?


科学分野やエンジニアの世界だと1次資料、つまり原典に当たれという話になる。
これが、物語を書きたいなら、リアルな人間、リアルな社会を知らねばならない。
細部のリアリティが物語という仮想世界を美しく彩る。


現実世界は非常によく作り込まれている。
普段我々はその凄まじいまでものリアリティに触れているから目が肥えている。
3DのCG技術は凄まじく発達したけども、それでもしばらく見ていれば
それがCGだとわかってしまうものだ。


リアルな彩りは感情をも呼び起こす。
とてもリアルなCGは、現実にそれを触った時の感触を思い起こさせるし、
それが食品ならば嗅覚や味覚の体験も思い起こさせるだろう。
物語でのリアルな描写はそこに感情を伴う。
それは、懐かしい気持ちかもしれないし、辛い思いかもしれないし、
幸福感かもしれないし、慕情かもしれない。


「あぁ、そうだよね。そういう感じだよね」
そんな日常的な会話のやり取りと同じく、筆者の体験を描写を通して
読者が追体験するようならば、物語に引き込むことに成功していると言えるだろう。


リアルな世界の人間を自分の作った仮想世界に引き込むには、
リアルな人間が拒絶を起こさない程度には世界が彩られている必要がある。


物語を書きたいなら、マンガを描きたいなら、ゲームを作りたいなら。
もっと外を散歩してみた方がいい。